​​着物の帯留めの歴史が一目でわかる!種類についても徹底解説!

突然ですが、あなたは帯留め(おびどめ)をご存知ですか?

 

帯留めとは、帯締めとセットで使われる帯の装飾品です。

 

帯留めは「帯のアクセサリー」ともいわれており、 付けるだけで全体にまとまりがでます!

 

本日は、そんな着物コーデに欠かせない、帯留めの種類と歴史についてご紹介します。

 

着物の帯締めについて詳しく知りたい方は、ぜひ本記事をチェックしてみてくださいね!

 

この記事はこんな方におすすめ
  • 帯留めについて知りたい方
  • 着物を着てでかけたい方
  • 着物に興味がある方

着物の帯留めの種類とは?

着物の帯留めに使用される素材の種類は、以下のとおりです。

帯留めの素材一例

    鼈甲(べっこう)・琥珀(こはく)・翡翠(ひすい)・珊瑚(さんご)・象牙(ぞうげ)・瑪瑙(めのう)・木彫(もくちょう/きぼり)・蒔絵(まきえ)・七宝(しっぽう)・トンボ玉・ガラス・陶器・貝・カメオ・真珠・水晶・ルビー・エメラルド・サファイアなど

    最近では、素材よりもデザイン性を重視した、フェイクパールビジューの帯留めも人気があります。

     

    帯留めのデザインは動物や楽器、お花や果物モチーフなどがあります。

     

    着物に合わせて帯留めを選ぶのも、女性には楽しい時間ですね!

     

    帯留めは、平たい帯締めにとおして使うのが一般的です。

     

    幅二分〜三分の細い帯締め用の帯留めが多いですが、幅広い帯締め用のタイプもありますよ!

     

    もちろん帯留めでなくとも、紐をとおす部分があれば、帯留めとして代用しても問題ありません。

     

    ブローチを帯留めとして転用できる金具なども売られていますよ!

    着物の帯留めの歴史とは?

    あなたは着物の帯留めの歴史についてご存知ですか?

     

    帯留めの歴史は以下のとおりです。

     

    1804年〜】:江戸時代
    帯留めの歴史は江戸時代が始まりです。

     

    そもそも、「帯留め」という言葉が出回ったのも、1822年の江戸時代後期ごろといわれています。

     

    それまでは、「上締(うわじめ)」や「胴締(どうじめ)」などと呼ばれていました。

     

    この時代には、しごき帯や腰帯、布を仕立てた「平ぐけ(ひらぐげ)」「丸ぐけ」と呼ばれる真田紐(さなだひも)・組紐(くみひも)・紐を結ぶタイプと、留め金具タイプの2種類がありました。

     

    しばらくして、紐や留金具は帯締めへと変化していきます。

     

    サイズや形状も現在とは若干異なり、幅二分〜三分の細い平打ち(平組)の帯締めは、帯留めをより目立たさせるために作られたものなのだとか。

     

    当時は装飾性や実用性重視で、「帯がほどけないための帯の固定金具」といった意味合いで使用されていました。

     

    紐をとおさず、紐の両端に表金具と裏金具を取り付け、それらを合わせて引っ掛けて使用するのが主流の構造です。

     

    そして、この時代の「帯留め」は、老女や男性の使用がほとんど。

     

    一般女性はあまり使用していませんでしたが、時代の変化とともに、帯留めを付ける風習が徐々に広がっていきました。

     

    【1853年〜】:江戸時代・幕末ごろ
    幕末ごろになると、芸者衆(げいこしゅう)の間で帯留めが大流行し、男性客のタバコ入れや、目貫(めぬき)(※1)柄頭(つかがしら)(※2)刀の小柄(こづか)(※3)などの刀装具(とうそうぐ)(※4)を、契りの証として帯留めに作り替えて用いられるようになりました。

     

    そして明治になると、帯留めが「パチン留め」と呼ばれるようになります。

     

    現在のような帯留めが使われ始めたのも明治時代になってからです。

     

    【1876年〜明治時代
    やがて「廃刀令」が発令されると、刀装具を加工していた職人たちは失職し、帯留め職人へと変化していきました。
     

    その影響もあってか、刀装具を転用する形で帯留めの使用が広がります。

     

    さらに帯留めは大流行し、刀装具などを作り替えた留め金具式(パチン式タイプ)の古い帯留めがこの時代の主流となっていきました。

     

    しかし、1892年ごろには紐にとおすタイプの帯留めが流行りだし、パチン式タイプは徐々に廃れていきます

     

    【現在】
    紐にとおすタイプの帯留めが主流となり、現在にいたります。

     

    現在の帯留めは、主流の紐をとおす形式以外にも、帯締めの上から金具で押さえるクリップ式や、開閉式の帯留めなどもあります。

     

    これらは、紐とおし式と比べて厚みのある紐に使えるのがメリットといわれており、帯締めを締めた後にも使えるので便利ですよ!

     

    ほかにも、昭和時代に売られていた帯留めを、現在もアンティーク品として好んで付けられる方も多く、レトロなデザインがオシャレので、ぜひあなたもチェックしてみてくださいね!

     

    ※1 目貫       :刀の柄(つか)を刀身に固着するためにさしておく釘、またはそれを覆う金具

    ※2 柄頭       :刀の柄(つか)の先につけてある金具

    ※3 刀の小柄:日本刀の鞘(さや)に付けた細工用の小刀、当時の緊急用武器

    ※4 刀装具   :刀剣(とうけん)や刀が入っている拵(こしらえ)に付属する部品のすべて

    帯留めは必ず付けなきゃいけない?

    帯留めは「帯のアクセサリー」であり、飾り感覚で付けるのが一般的です。

     

    着物ではアクセサリーとして扱われるため、付けなくても問題ありません。

     

    ですが、帯留めをつけることで着物の装いにアクセントが付き、より華やかな印象になりますよ!

     

    着物全体の中心に付ける「帯のアクセサリー」なので、帯留めのデザインや素材、大きさなどによって、全体の雰囲気も変わります。

     

    注意点として、フォーマルな場に使用する際は、「格」に合わせて選びましょう。

     

    また、帯留めを使うときは通常の帯締めでなく、三分紐や二分紐などの金具に合わせた細い紐を使用してくださいね!

    TPOに合わせた帯留めの使い方とは?

    帯留めは「帯のアクセサリー」といった認識が強いため、フォーマルな場では、TPOに合わせたアイテムを身につける必要があります。

     

    フォーマルな場で合わせる帯留めには、やはり宝石類などの高級感を感じる素材を選ぶといいでしょう

     

    逆にカジュアルな場であれば、好きなデザインの帯留めを選んでいただいて大丈夫です。

     

    参加するイベントのテーマに合わせて、帯留めのデザインを選んでみるのもいいですね!


    そのほか、おすすめの選び方は以下のとおりです。

     

    【季節に合った素材】
      • 水晶・翡翠・ガラスなど、涼しげに感じるデザイン夏ごろ
      • 珊瑚など、温かみを感じるデザイン       :冬ごろ
    【茶席の場】

    茶席の場で帯留めの使用は控えましょう。

    茶会などでも道具を傷付けないように指輪などのアクセサリーを外しますが、帯留めも「帯のアクセサリー」といわれているため、同様に外すのがマナーです。

    また、簡素を重んじる茶会では、「茶道具の美しさに匹敵するものはない」という意味があるため、派手すぎる装飾は控えるのが無難でしょう。

    【喪服の場】

    喪服の場での帯留めの使用は控えましょう。

    「帯留めが黒い石なら付けても良い」とする考え方もありますが、家族間や地域のしきたりなどによって異なってくるため、使用しない方が無難でしょう。

    まとめ

    今回は、着物の帯留めの種類と歴史についてご紹介しました。

     

    帯留めには深い歴史があり、使用される素材やデザインの種類も多くあるとわかりましたね!

     

    帯留めを選ぶことも、着物を着るときの楽しみの一つです!

     

    ぜひあなたも、本記事を参考に帯留めにこだわってみてくださいね!

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