【徹底解説】着物の【袖丈】による着用シーンの違い

着物の袖丈の長さは、未婚、既婚、着用シーンで異なります。

 

袖が長いものは「振袖」、袖が短いものは「留袖」と呼ばれます。

 

着用する年齢、シーンで使い分けられています。

 

本記事では、着物の袖丈による着用シーンのご説明をしていきます。

 

この記事を読めば、シーンごとでの着物の袖丈を悩まなくなるはずです。

この記事はこんな方におすすめ
  • 着用シーン別の着物の袖丈の選び方
  • 着物を着て出かけたい方
  • 着物に興味がある方

着物の袖丈とは?

まずは、着物の袖丈をご説明していきます

 

袖丈とは、着物の寸法についての言葉です

 

袖丈は片山の延長上の袖の折山の袖山から袖裾をいいます

 

一般的な長さは、49㎝~50㎝の袖丈です。

 

背の高い場合や大きな着物の場合は、53㎝~57㎝になります。

 

普段着や浴衣などの場合は、45㎝となる場合もあります。

 

袖丈の種類については次の見出しで詳しく解説していきます。

着物の袖丈の種類

着物の袖の種類は、様々な種類があります。

 

袖の長さは、未婚、既婚着用する場などによって大きくことなります

 

実は、一般的な着物の袖丈の種類は大きく分けて、2種類あります。

 

それぞれの特徴を解説していきます。

振袖

袖が長いという特徴がありますが、振袖でも袖の長さが3種類あります

 

本振袖

袖の長さが104㎝~120㎝の着物です。

 

中振袖

袖の長さが86㎝~106㎝程となります。

 

小振袖

袖の長さが76㎝~86㎝程の着物で振袖の中では最も短い袖となります。

留袖

留袖は袖丈の短い着物で裾部分のみに文様があしらわれた礼服です。

 

現代では、既婚、未婚問わず女性の礼装と用いられます。

 

留袖の袖丈は49㎝~62.5㎝です。

 

黒留袖…地色が黒の留袖を「黒留袖」といいます。

 

記事には濱縮緬や丹後縮緬などの地模様のない縮緬お用い、裾模様が入れられています。

 

五つ紋を入れて既婚女性に第一礼装として使われます

 

色留袖…地色が黒以外のものを「色留袖」といいます。

 

生地には地模様のない縮緬だけでなく地模様が織り出された紋意匠縮緬や綸子、緞氏、朱子生地が用いられます。

 

着物の袖の形

着物の袖の形には主に5種類の形状があります。

 

それぞれ解説していきます。

元禄袖

元禄時代に流行した小袖の袖型で、袖丈が短く、袖の丸みが大きいのが特徴です。

 

元禄袖の袖の長さは42㎝~45㎝の着物です。

 

袖の丸みは、8㎝~15㎝です。

 

小袖

小袖とは、袖口が縫い詰まった着物をいいます。

 

小袖は現在の和服の原型です。

 

直線裁断による上下ひと続きの形式です。

 

洋服のようなボタンやポケット、襞、切れ込みなどの立体的な装飾がありません。

船底袖

船底袖とは、袖下が船底の形に似ていることから名づけられています。

 

袖口に向かってカーブを描きながら徐々に細くなるのが特徴です。

 

袖口が狭く動きやすくなるため、昔は子供用として広く用いられていました。

 

現在は作業着などの上着にも使われています。

 

薙刀袖

袖口からたもとまで薙刀のようにそいだ形に仕立てた袖をいいます。

 

船底袖とは異なりカーブが少ない形状になるのが特徴です。

 

普段着の着物などに用いられます。

 

平口袖

平口袖とは、袖口の裏側をふきとして表に出した袖の形をいいます。

 

着物の下に着る長襦袢や産着などに用いられます。

 

長襦袢の場合は、袖丈の長さ分がすべて開いてしまうため途中で留め結びをするのが一般的です。

 

着物の袖丈のシーン別の選び方

女性用の着物は、それぞれ着用シーンが決まっています。

 

着物には種類によって格というランクが設けられています。

 

正礼装、準礼装、普段着の順に解説をしていきます。

正礼装

正礼装とは、最も格の高く儀式を尊重し敬意を表現する装いです。

 

式典や冠婚葬祭などの特別なシーンで着用する着物の種類をいいます。

 

  • 打ち掛け

 

結婚式で和装の花嫁が着用する着物です。

 

白無垢、色打掛の2種類があります。

 

こちらは、年齢の制限が関係なく着用できます。

 

  • 黒留袖

 

既婚女性の礼装で、結婚式で新郎新婦の母親や仲人などが着用します。

 

こちらも年齢の制限は関係なく着用できます。

 

  • 本振袖

 

未婚女性の正装で、花嫁の婚礼衣装や成人式の着物として着用します。

 

一般的には20代後半から30代前半までが着用できる年齢の目安とされています。

 

準礼装

    準礼装とは、友人の結婚式、会社の祝賀会といった場面で最も着用する機会が多い着物です。

     

    • 色留袖

     

    主に結婚式で親族が着用することが多いです。

     

    お宮参りや七五三、卒入学式、コンサートや食事会、同窓会でも着用できます。

     

    こちらも年齢に制限に関係なく20代から70代まで幅広い年代に適しています。

     

    • 訪問着

     

    フォーマルからカジュアルシーンまで着用でき、着回しが効くため着物の中でも汎用性のある着物です。

     

    柄にもよりますが、古典柄や格式が高い柄が入ったものは準礼装として着用可能です・

     

    年齢や未婚・既婚に関わらず着用できる着物で、結婚式への参列や入卒式で着用できます。

     

    • 付け下げ

     

    結婚式や披露宴、パーティー、お茶会、入卒式、七五三、コンサートなど幅広いシーンで着用できます。

     

    年齢に制限に関係なく着用でき、親子や姉妹で共有することが出来ます。

     

    • 色無地

     

    黒以外の色で染められた無地の着物の種類です。

     

    結婚式や入卒式、お茶会などフォーマルな場面で着用されます。

     

    年齢や未婚・既婚に関わらず着用できます。

     

    年齢やシーンに合わせて色や柄を選ぶことで、その人の内面や個性を表現することが出来ます。

     

    普段着

    普段着の着物とは、いわゆる街着のことでフォーマルには着用しない着物のことを言います。

     

    • 小紋

     

    小紋は、同じ絵柄が着物全体に繰り返し入っている普段着の着物です。

     

    観劇、お稽古、パーティー、お買い物、お茶会などの場面で着用できます。

     

    年齢や未婚・既婚に関わらず着用することが出来ます。

     

     

    紬は、紬糸を平織りにした絹織物で頑丈で軽く、普段着やちょっとしたおしゃれ着で着用します。

     

    同窓会や結婚式の二次会、観劇、ショッピングの場面で着用します。

    振袖の袖が長い理由

    最後の振袖の袖の長さにはどのような意味があるか見ていきましょう。

     

    振袖の長い袖には、厄を払う、良縁を願う、未婚の女性であることなどの意味があります。

     

    女性が19歳で初めて迎える厄年に、袖の長い振袖を着て厄払いをするという習慣があります

     

    「振る」という言葉には「お清め」という意味があり、ご利益が込められているそうです

     

    袖を振る動作が異性に思いを伝える意味があり、長い袖には良縁を引き寄せる願いが込められています。

     

    袖を前後に振ることで「嫌い」を表現し、左右に振ることで「好き」を表していたと言われています

    まとめ

    いかがでしたか?

     

    今回は、着物の【袖丈】による着用シーンの違いを解説しました。

     

    着物を着ていく時も、マナーがあるため着用する場面では注意しましょう。

     

    是非、その場面に適した着物を選んで、式典やお買い物を楽しんでくださいね。

     

    本記事がより快適な着物ライフの参考になっていれば幸いです。



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