【必見】意外と知らない?着物の裏地の選び方と特徴をご紹介

着物を仕立てたいけど裏地の選び方がわからない!

 

役割さえ果たしていれば、どの裏地をつけても同じなのでしょうか?

 

今回は、意外と知らない着物の裏地の選び方と特徴をまとめました。

 

本記事を読めば、着物を仕立てる際・着用する際の注意点を知ることができ、快適な着物ライフを過ごすことができます。

 

裏地の特徴を知って、適切に選ぶことで着物上級者への第1歩を踏みだせますよ。

 

この記事はこんな方におすすめ
  • 着物の裏地の選び方について知りたい方
  • 着物を着てでかけたい方
  • 着物に興味がある方

知ると便利!裏地の選び方

基本的な着物の裏地の選び方を解説します。

 

まず裏地は、表生地の素材が絹なら裏地も絹表生地の素材が綿なら裏地も綿という風に、着物の表生地の素材に合わせて選ぶことが基本です。

 

シーン別・季節別に裏地の選び方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

カジュアルシーン

まずは、街ぶらや女子会、同窓会、友達同士や恋人とのお出かけ時などのカジュアルなシーンで着る際の裏地についてです。

 

カジュアルなシーンでの裏地の選び方は特にルールはありません。

 

袖口や裾などさりげないおしゃれを楽しめる機会なので、表の生地とのコントラストを楽しめる色や柄を取り入れると着物をより一層楽しめますよ。

フォーマルシーン

親族の冠婚葬祭の際などに着用する第一礼装(留袖・色留袖)や準礼装(訪問着)などのフォーマルシーンでは、表生地と同じ生地で同色のものが使われます。

 

これは「共八掛」と呼ばれており、表生地と同系色の裏地にすることでちらっと見えた際に、落ち着いていて上品かつ優雅さを表現できる仕立て方です。

季節編(色・柄)

着物の裏地で季節感を表現することもできます。

 

例えば、春頃に着る着物の表地が緑色だとします。

 

春といえば「桜」。

 

桜を表現する際にピンク色の小物を持つのも1つの方法ですが、表地の「彩度」や「明度」と合わせたピンク色の裏地や、小ぶりの花柄の裏地が袖口や裾からさりげなく見えたらどうでしょうか。

 

着ている本人はもちろんですが、同行者や通りすがりの人からも「着物の楽しみ方を知っているな」という印象を与えられますよね。

 

このように、表地の「彩度」や「明度」を意識した選び方もあります。

着物の裏地で気をつけたい静電気

通常静電気は異なる素材が擦れ合うことでプラスとマイナスの電気を帯び、それが放電することで起こります。

 

パチパチという音と共にピリっとした痛みを感じながら着物を着るのは嫌ですよね。

 

実は、もう1つ静電気を阻止した方がいい理由があります。

 

それは、裏地の役割を妨げる可能性があるからです。

 

裏地の役割は主に、「着物の型崩れを防ぐ」「裾捌きをよくする」といったものですが、表裏の素材の相性が悪く静電気が起これば、生地が傷むのが早かったり歩きにくくなることがあります。

 

裏地を選ぶ際に、異素材で仕立てる場合は注意が必要です。

素材別の特徴と表地と裏地のおすすめの組み合わせ

同素材での仕立てが1番ですが、ここでは、それぞれの素材の特徴と異素材でも静電気が起こりにくいおすすめの組み合わせを解説します。

「繊維の女王」である絹は、ツルツルとした肌触りの良さや光沢などから、フォーマルな着物に使用されることが多い素材です。

 

高級品ですが、夏は涼しく冬は暖かく保ってくれる特徴があります。

 

元々絹は電気を帯びにくいですが、おすすめの組み合わせは「綿」「です。

 

反対に、おすすめしない裏地の素材は、「ポリエステル」です。

綿

綿」は丈夫で肌馴染みがよく、自宅での洗濯が可能である点から普段着としても馴染みのある素材ですよね。

 

しかし、伸縮しやすくシワがつきやすい点もあります。

 

綿も絹同様に、電気を帯びにくい素材ですが、おすすめの組み合わせは「」「です。

 

反対におすすめしない素材は「ウール・カシミヤ」「ナイロン」です。

 

ポリエステル

「ポリエステル」の特徴は、比較的安価で手に入りやすく、裏地にしても経年劣化での変色があまりなく、丈夫であることです。

 

ポリエステルはマイナスの電気を帯びやすいため、「綿」「麻」「アセテート」など同じ性質の素材との組み合わせがおすすめです。

 

反対に、プラスの電気を帯びやすい「ウール・カシミヤ」「ナイロン」はおすすめしません。

「麻」は、植物からつくられる素材の総称のことで、麻の種類ごとに「リネン」や「ヘンプ」などがあります。

 

薄手で通気性が良いので、暑い季節に活躍する素材です。

 

初めは、固くゴワゴワと感じますが、長く着ることで徐々にしっとりと肌に馴染むようになるのが特徴です。

 

麻はマイナスの電気を帯びやすいので、同性質の「綿」「ポリエステル」がおすすめです。

 

反対に、プラスの電気を帯びやすい「ウール・カシミヤ」「レーヨン」「ナイロン」は相性がよくないので、おすすめしません。

獣毛(ウール・カシミヤ)

「ウール・カシミヤ」などの獣毛は、生地自体が分厚く保温性が高くとても暖かいので寒い季節に活躍する素材です。

 

プラスの電気を帯びやすいので、「絹」「レーヨン」「ナイロン」を選びましょう。

 

反対に、「ポリエステル」「麻」は静電気が発生しやすいので、おすすめしません。

これであなたも裏地上級者!着用時の注意点も

最後に、これを意識するだけで裏地上級者になれるポイントをご紹介します。

 

ぜひ参考にしてみてくださいね。

羽織編

羽織を着用するだけでおしゃれ上級者にみえますが、実は羽織の裏地は派手なデザインが多いことをご存知ですか?

この理由は江戸時代にまで遡ります。当時、江戸幕府が「質素倹約」を唱えたことで表地の柄や色を抑えなければならず、それに我慢できなかった町人が表からは見えない裏地で遊び始めたことが発祥なんだとか。

羽織を選ぶ際は、さりげなく個性を裏地で表現してみると面白いですね。

襦袢編

意外と見落としがちなのが、襦袢の素材です。せっかく表裏の素材を合わせて着物を仕立てても襦袢の素材と相性が悪ければ、「歩きづらい」「型崩れしやすい」など弊害が出てきます。上記の素材の組み合わせを参考に襦袢の素材も選ぶことが出来れば、裏地だけでなく着物上級者です!

まとめ

いかがでしたか?

 

たかが裏地、されど裏地。

 

着物は知れば知るほど奥が深い衣服ですよね。

 

本記事が裏地によるストレスのない着物ライフへのきっかけになれば幸いです。

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