お出かけの際に、領収書や電車の切符などサッとしまったり取り出したりできるポケットが着物にはなかなか見つけられなくて困っている方も多いのではないでしょうか。
では、着物を普段から着用している方は必ずカバンを持ち歩いているのでしょうか?
今回は、意外と多い着物にある隠れポケットの場所と注意点をご紹介します。
この記事を読めば、着物を着ている時にカバンをガサゴソとすることが減り、手軽に着物を着てお出かけできるようになります。
着物のポケット不足の悩みを解消して、着物を綺麗に着こなしましょう。
- 着物の裏地の選び方について知りたい方
- 着物を着てでかけたい方
- 着物に興味がある方
目次
着物にポケットはある?
普段洋服を着る機会の多い現代人にとってポケットは重要な要素ですよね。
携帯電話や財布、ハンカチ、ティッシュに電車の切符など、カバンに入れたら探すのに手間取ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そんな時にポケットがあればとても便利ですが、残念ながら着物には「ポケット」はありません。
しかし、サッと取り出せる場所にちょっと入れておける便利な隠れポケットが存在します。
隠れポケットの種類と注意点
よく使用される隠れポケットの場所と特徴、注意点についてそれぞれ解説していきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
懐
時代劇などで懐からお金を出しているシーンなどを見たことはありませんか?
ポケットのない着物にとって、懐は領収書、切符、ICカードや名刺など軽くて薄いものを収納するためにピッタリのスペースとなっています。
帯があるので、下に落ちる心配もありません。
また、懐に物を収納することで、帯が上部にあがるのを防ぎ、型崩れを防止する効果もあります。
ただし、下に落ちる心配がないからと言って重量のある大きい財布などを長時間入れておくと、着物自体の生地や縫い目に負担がかかり、劣化を早めてしまう原因にもなるので注意しましょう。
帯
帯と帯板の間には、携帯電話や家・車のカギなどを収納することができます。
浴衣の時期には、扇子を帯に挟んでいる光景を見たことがある人も多いと思います。
ただし、帯締めをしていないとするりと下に落ちてしまうこともありますので、注意が必要です。
袂
着物のポケットと聞いて、1番イメージが沸くのは「袂」ではないでしょうか。
腕の下の丸みを帯びた袋のようになっている部分が特徴の袂は少し大きいものも収納できます。
ハンカチやティッシュなど、左右の袂を分けて使用すると便利ですね。
ただし、あまりに重いものを入れておくと左右のバランスがおかしくなり着崩れしてしまったり、生地が伸びてしまったり着物にとって良くないこともあるので注意しましょう。
男女の着物による「袂」の違い
「袂」について解説しましたが、男女の着物はそれぞれ仕立て方が若干異なり、「袂」部分にも男女の違いがあるので解説していきます。
形状
まずは、形状です。
仕立て方が違うと説明しましたが、具体的には下記のような違いがあります。
男性着物の袂は、胴体部分の生地とほとんどつながっており、腕の脇側部分が縫われていて完全な袋状となっています。
そのため、袂の荷物が外に落ちることはありません。
反対に、女性の着物の袂は胴体部分の生地と大部分が離れており、腕の下部分は開いた状態になっています。(この部分は八つ口と呼ばれています。)
そのため、ふとした時に転がり落ちてしまう可能性がありますので、時計などの貴重品等は袂には入れないようにしましょう。
取り出し方
続いて、中身の取り出し方です。
先ほど解説したように男性は脇の下が開いていないので袖口から手を入れて中身を取り出します。
女性は袖口から手を入れずに、八つ口を前に持ってくるようにして、荷物を取り出しましょう。
着物のポケットを増やす3つの方法
ここまで着物の隠れポケットについてご紹介しました。
しかし、「もう少しポケットが欲しい」「中身が落ちそうで入れるのが怖い」という方もたくさんいるのではないでしょうか。
ここでは、着物のポケットを増やす方法を3つご紹介します。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
袂落としを使う
まず1つ目は「袂落とし」を使う方法です。
「袂落とし」とは、紐の両端に袋を取り付け首からぶらさげて、左右の袂に振り分けて使用する道具です。
元々は江戸時代に生まれたもので、片方にタバコを、もう片方に汗を拭く手ぬぐいなどを入れていましたが、現在では片方に携帯電話を、もう片方に小銭をいれる使い方もされています。
「袂落とし」は、首にかけたあと上から着物を着るので、外からは見えないということと、「袂落とし」自体を外ではずすことがないので忘れ物をする心配もありません。
使用方法は簡単で、袂から袋を引っ張り出して中身を取り出し、戻す時は逆側の袋を引っ張り長さを調整します。
根付を使う
「根付」とは、小物を持ち運ぶために帯に挟んでぶら下げることが可能なストラップのような道具です。
巾着などを根付の紐に取り付け、帯の内側に紐を挟み込み、根付部分を帯の上に出すことで帯に根付が引っ掛かり、紐に取り付けた巾着などが落ちない仕組みになっています。
内側にポケットを作る
3つ目は、内側にポケットを「作る」方法です。
例えば、スーツのジャケットの内ポケットのように携帯電話を入れられる小さいポケットや、小銭を入れるポケットを着物の裏側にポケットを作るやり方です。
着物の裏側に縫い付けると縫い目が表側に出てしまうので、生地と生地を貼り合わせられる布用の糊を使うことをおすすめします。
自作でポケットを作るので、好きな形や大きさにできるため、着物にもオリジナリティを加えることができます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は意外と収納力のある着物のポケットについて解説しました。
着物や浴衣を着用している際に役に立つ、隠れポケットについて知ることができましたね。
それぞれの特徴や注意点を理解して、必要に応じてクラッチバック、かごバック、がま口バック、信玄袋などと合わせて使うことができれば着物上級者です。
隠れポケットを活用して素敵な着物姿でお出かけしましょう。
本記事がより快適な着物ライフの参考になっていれば幸いです。
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